西鉄2026年3月14日ダイヤ改正発表

天神大牟田線の定例改正(約2年間隔) & 貝塚線19年ぶりの改正

昨23日午後に西鉄から3月14日(土)ダイヤ改正のニュースリリースが出され、地元メディアでもニュースが流れました。約2年に1回実施されている天神大牟田線のダイヤ改正に加え、今回は貝塚線も19年ぶりのダイヤ改正が行われます。正確には、19年前のダイヤ改正は宮地岳線の津屋崎~新宮間の廃止とともに、残る新宮~貝塚間を「貝塚線」に改称した時の改正なので、貝塚線としてのダイヤ改正は史上初と言えるかもしれません。

ダイヤ改正概要

天神大牟田線・太宰府線・甘木線

ニュースリリースでは、今回の改正概要は4点示されています。

  1. 平日朝のラッシュ時間帯(7:30~9:00)に上り普通列車を増便
  2. 平日夕方のラッシュ時間帯に有料座席列車「Nライナー」の運行を開始
  3. 平日朝の西鉄福岡(天神)発 太宰府行き急行列車の増便
  4. 土曜ダイヤ・日祝ダイヤを「土曜・休日ダイヤ」に統合

これらを順番に見ていきます。

1. 平日朝のラッシュ時間帯(7:30~9:00)に上り普通列車を増便

平日朝ラッシュの時間帯(福岡(天神)駅到着時刻基準で7:30~9:00)において、現行ダイヤで合計25本の列車が運転されているのを、改正により普通列車を3本増発して28本運転とするとのことです。3本増発により輸送力を約2,000人分積み増しして、計2.1万人とできる見込みのようです。ニュースリリースでは具体的なダイヤイメージは示されていませんでしたが、報道各社向けの発表では大橋駅の発車時刻表の形で具体的な時刻が示されていました。その画像は下記リンクのRKBの記事に掲載がありました。

増発後のダイヤイメージとして、福岡(天神)駅7:30着~9:00着の場面では上り列車が綺麗に3分間隔で走るようになり、現行ダイヤに存在する近距離急行と中長距離急行の2本雁行運転がなくなって、等間隔になるようにバラされています。なお、記事中の大橋駅発車時刻表の写真で、急行列車の色分けかつ「普(普通列車)」の印がついている10本が大橋以北で各駅に停車する急行(S急行[1])のようです。

3本を増発することにより輸送力を約2,000人分積み増すところから逆算すると、1本につき約670人、西鉄が保有するロングシート車であれば6両編成を組めば充足可能です。実運用は前後の運用と合わせて6両と7両が適宜配分されることになると思われます。

2. 平日夕方のラッシュ時間帯に有料座席列車「Nライナー」の運行を開始

2024年春に3回試験を実施し、しばらく続報がなかった有料座席列車(座席定員制の列車)「Nライナー」の正式運行が発表されました。次の改正では平日19時台に福岡(天神)発大牟田行が1本設定されます。3000形5両編成を充当し、定員を200名(3000形のクロスシート部の座席定員)として座席料金券(400円)をLINEアプリ経由で予約・発売するそうです。

運転時刻は以下の通りです。

着発時刻乗車 / 降車
福岡(天神)19:11乗車のみ
薬院19:14
 ↓
二日市19:29降車のみ
久留米19:47
花畑19:49
大善寺19:55
柳川20:05
新栄町20:18
大牟田20:21

全体的な所要時間は急行列車と同等で、薬院→二日市間は現行ダイヤで設定されている急行列車(G193列車)と同じ着発時刻です。

このNライナーの最大の主眼と新たな恩恵は、薬院駅からの着席保証の点にあると私は考えています。現在、ラッシュ時間帯の下り特急・急行列車は福岡(天神)駅の時点で座席が埋まってしまっていて、さらには立客もいて、空いた席に着席できるのがよくて二日市駅、基本的には急行だと筑紫駅、特急では久留米駅まで立ちっぱなしになるのもザラです。着席保証があれば、福岡(天神)駅からはもちろんのこと、今までは着席可能性がほぼゼロだった薬院駅からでも座れるようになります。

今回の改正では列車を1本仕立てていますが、私はこうした列車は名鉄の特別車連結列車や他社の着席保証列車のように幅広い列車に1~2両ずつ連結する形が望ましいと思っていますので、ここからのさらなるブラッシュアップに期待しています。

3. 平日朝の西鉄福岡(天神)発 太宰府行き急行列車の増便

現行の平日ダイヤでは9時台に2本、福岡(天神)発太宰府行き急行が設定されています。10時台以降に福岡(天神)発小郡行き急行として設定されている急行列車のうち、10時台と11時台の各2本を太宰府行きに振り替え、土曜ダイヤ・日祝ダイヤと同じ計6本の体制にするとのことです。

午前時間帯の福岡(天神)→太宰府間の急行列車が今の形で設定(再設定)されたのは、太宰府観光列車『旅人』が作られた2014年3月22日ダイヤ改正からです。福岡(天神)発時刻の変遷は次の通りとなっています。

改正日平日発時刻土曜・休日発時刻
2014.03.229:46(旅人)、10:16、10:469:46(旅人)、10:17、10:47、11:17、11:47
2017.08.269:15、9:46(旅人)、10:16、10:499:16、9:47(旅人)、10:18、10:48、11:18、11:48
2019.03.239:15、9:46(旅人)、10:16、10:499:16、9:47(旅人)、10:18、10:48、11:18、11:48
2020.04.18~2020.05.109:15、9:46(旅人)、10:16、10:49設定中止【※1】
2021.03.139:15、9:46(旅人)9:16、9:47(旅人)、10:18、10:48、11:18、11:48
2021.05.12~2021.06.279:15、9:46(旅人)9:47(旅人)【※2】
2022.08.289:18、9:48(旅人)9:18、9:48(旅人)、10:18、10:48、11:18、11:48
2024.03.169:12、9:42(旅人)9:18、9:48(旅人)、10:18、10:48、11:18、11:48
  • 注記
    • 2021年3月13日ダイヤ改正から、土曜・休日ダイヤは土曜ダイヤと日祝ダイヤに分離されました。太宰府行き急行の設定時刻は同一です。
    • 【※1】COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に伴う緊急事態宣言発令に伴い、土曜・休日ダイヤを特別減便ダイヤ(最大減便)で運行。
    • 【※2】COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に伴う緊急事態宣言、およびまん延防止等重点措置発令に伴い、土曜ダイヤ・日祝ダイヤを特別減便ダイヤ(日中急行運休)で運行。

平日については当初3本、2017年8月改正からコロナ中まで4本、平日日中の特急が休止となった2021年3月改正から2本に減り、2024年3月改正で特急列車や他の列車パターンが概ね元に戻っても太宰府行き急行は減ったままでした。土曜・日祝は当初5本、後に6本に増えて今に至っています。

西鉄のダイヤ体制では太宰府行き急行と小郡行き急行はバーターとなり、しかも二日市で太宰府急行から乗り換えられる普通列車が筑紫止まりであることから完全代替になり得ません。しかし影響を受ける小郡市民(当サイトの管理人もそうです)から特に反対運動が起きないのは、その時間帯に下り急行を使って小郡に帰ってくる人が大変少ないからというのと、午前中の主要な流動である小郡市内→福岡方面はきちんとJ急行[2]が確保されているからだと考えています。

4. 土曜ダイヤ・日祝ダイヤを「土曜・休日ダイヤ」に統合

COVID-19の影響により利用客数が減少したのに合わせ、利用の少ない列車を減便して運行体制を維持する一環として、2021年3月13日ダイヤ改正で「土曜・休日ダイヤ」が「土曜ダイヤ」と「日祝ダイヤ」に分離されていましたが、今改正で再統合されます。

ちなみに、西鉄はもともと平日ダイヤ(月曜~土曜に施行)と休日ダイヤ(日曜・祝日に施行)に分かれていましたが、社会における週休二日制の浸透により、1997年9月27日ダイヤ改正から土曜日に施行するダイヤを休日と同じにして、平日ダイヤと土曜・休日ダイヤに再編されました。それから約四半世紀を経て西鉄バスのような平日・土曜・日祝の3本立てになり、そして5年経って元に戻ります。土曜ダイヤと日祝ダイヤは早朝・深夜の列車運行区間が一部異なる他は時刻上の違いはありません。

これは個人的な事情ですが、ダイヤが平日・土曜・日祝の3本立てになった時から、自作の車両運用関係資料や時刻表の作成・点検作業が1.5倍に増え、同人誌の厚さも1.5倍になって困っていたので、再統合を歓迎します。本数が現行ダイヤと比べてどうなるかに注目しています。


貝塚線

貝塚線のダイヤ改正は2007年4月1日以来約19年ぶり(18年と11か月2週間ぶり)となります。先述の通り、前回の改正の時は宮地岳線の部分廃止(津屋崎~新宮間)に伴い路線名を貝塚線に改称し、さらに減便を実施した時の改正なので、貝塚線としてのダイヤ改正は部分廃止以来初となります。

ニュースリリースでは、今回の改正概要は「平日朝のラッシュ時間帯(7:30~8:30)のダイヤの見直し」と題されています。実施内容は下記の通りです。

  • 香椎花園前→貝塚間で2本増便(6本→8本)
  • 新宮→香椎花園前間で1本減便(6本→5本)

この増便に伴い、香椎花園前駅に2番乗り場の新設(復活)、および貝塚線車両の世代交代(2027年度までに実施)と配置本数増加(600形2両8本→7050形2両9本)も実施されます。

香椎花園前駅の2番乗り場は宮地岳線時代に存在しましたが、部分廃止・路線名改称の時にホーム使用停止→撤去となっていました。ホーム撤去以降も2番乗り場があった着発線(2番線)は健在で、試運転列車(貝塚~香椎花園前間)の折り返しに時折活用されてきました[3]。今回は形態および利用方法の変更(香椎花園前折り返し列車のみ使用、改札口分離)がありつつ完全復活する形となります。


〈脚注〉

  1. 自分はじめ沿線のファンは、列車番号の先頭が「S」であることにちなんで『S急行』と呼ぶことがあります。
  2. 西鉄による定義は「福岡(天神)~筑紫間を急行運転する区間急行」です。旅客案内では下りは「筑紫から普通」、上りは「筑紫から急行」とされ、時刻表注記は「▲」(黒三角)です。列車番号の先頭が「J」であることから、自分や沿線のファンは『J急行』と呼ぶことがあります。
  3. ちなみに香椎花園前駅の信号設備はホーム撤去前後で一貫して変更されていませんが、新宮方のポイントに設置されている転轍機は手動(普通転轍機)に交換されていたため、転轍機を現地で手動転換しない限り、2番線と新宮方の行き来に関係する信号は現示できませんでした。